平櫛田中彫刻美術館(ひらくし でんちゅう)
平櫛田中は、明治5年、現在の岡山県井原市に生まれ、青年期に人形師・中谷省古のもとで彫刻修業をしたのち、上京して高村光雲の門下生となりました。その後、美術界の指導者・岡倉天心や禅僧の西山禾山の影響を受け、仏教説話や中国の故事などを題材にした精神性の強い作品を制作します。昭和33年に20年の歳月をかけて完成した国立劇場の《鏡獅子》に田中芸術の集大成を見ることができます。昭和37年には、彫刻界でのこうした功績が認められ、文化勲章を受章しました。 昭和45年、長年住み暮らした東京都台東区から小平市に転居し、昭和54年に107歳で亡くなるまでの約10年間を過ごしました。当館は、昭和59年にその邸宅を広く公開するため、「小平市平櫛田中館」として開館しました。平成17年に遺族から作品寄贈を受けたこと機に、平成18年4月に現在の「小平市平櫛田中彫刻美術館」と改称しました。